往々にして教育現場で、そういった鑑賞がなされると聞きます。 中にはしっかりフェンスや入口ドアを付けたり、家の周りに花壇を作り、じっくり腰を落ち着けたような家まであるのには驚きました。
8歌にある「さらす手作り」とは、「万葉集」が編纂(へんさん)された奈良時代、多摩川沿いで生産されていた布を表現している。 いとおしい・好きだという意味です。
「妹が音を聞く」という終止も、直接的な感情表現よりもかえって、しみじみとした情感の表出に一役買っています。
武蔵とは、現代の神奈川県の一部、東京都、埼玉県を指す旧国名です。
多摩川沿いと布の関係は深い。 最後に、『万葉集』の中から、「よみ人知らず」の挽歌を一首紹介します。 ところで、この歌の解説は、歌人について説明し、歌われた状況を描写しから、 歌の意味、技巧を解説するという、従前の手法に倣っています。
6この歌をめぐり、多摩川沿いで布を生産している様子を表現したという「万葉をしのぶ乙女像『たまがわ』」が、小田急小田原線狛江駅の北口にある。 もう見られない当時の情景は、詠み込まれた歌の歌碑などに姿を変えて、多摩川が流れる東京都調布、狛江両市に面影を残している。
麻布の洗曝(せんばく)作業が盛り込まれているが、それは「さらす」の言葉とのつながりである。
言わば、現代のだじゃれのようなものです。 そういった歌は、「挽歌」、英語でいえばelegy、あるいはdirgeとよばれます。
また、この歌は多摩川の風土に根差したストレートな恋愛賛歌として、現代でもたいへん親しまれています。